「家でカフェで飲むような美味しいコーヒーを淹れてみたい。」そう思ったことはありませんか?普段はインスタントコーヒーで手早く作っているという方も、良質な豆と美味しいお水があれば簡単に自宅でコーヒーを楽しめます。フレシャスでは今話題のコーヒーから、正しい淹れ方のコツまでバリスタチャンピオンにお話しをうかがってきました。
今、アメリカ西海岸から空前のコーヒーブームが到来しています。その旗手となっているのが、「サードウェーブ」という新しいコーヒー文化です。
大きな特徴は、お店と豆の生産者とのダイレクトトレード。中間業者を挟まないことで、生産者の生活を守りながら、信頼性の高い豆を提供してもらうことです。他にも、ブレンド豆を使わずに「シングルオリジン」と呼ばれる単一の豆を使用することなども特徴のひとつです。
生産者の顔が見える高品質の豆を基本に、挽き方や淹れ方、器具などあらゆるプロセスにこだわったクオリティーの高い「一杯のコーヒー」を味わう――。
このサードウェーブはすでに日本にも上陸し、世界の人気カフェも東京を中心に続々と進出しています。一方、自宅でサードウェーブを楽しむ「うちカフェ派」にも注目が集まっています。
コーヒーを愉しむために大切なのは、もちろん豆だけではありません。コーヒーの味わいを引き出す上質な水と、抽出器具やその淹れ方。それに加えてコーヒーウェアの選び方や飲む場所、音楽なども重要な要素なのかもしれません。
忙しい毎日の中でも「うちカフェ」で好きな音楽をかけて、のんびりとコーヒーを淹れてみる――。お気に入りの豆は使う分だけ。コーヒーミルで丁寧に挽き、沸騰させたフレシャスでコーヒーを抽出していくと、ふわっと芳ばしい香りが部屋中に広がります。出来上がったコーヒーは愛用のカップに。淹れたての香りと豆の風味を愉しみながら、リラックスした心地よい時間が過ごせるのも「うちカフェ」ならではの魅力ではないでしょうか。
―ずばり、プロのコーヒーの淹れ方のコツを
教えて下さい。
鈴木 美味しいと言われるコーヒーには、それだけのストーリーがあります。生産者、豆を買い付けるバイヤー、焙煎する人、そして淹れる人。コーヒーに関わるすべての人の努力の結晶が、最高の一杯を引き出します。そうはいっても、例えば80点の豆を80点以上にはできません。だから私たちバリスタは、どうやって素材の良さを最大限引き出すかを考えるのです。つまり、80点の豆なら、なるべく80点に近づける努力をするのが、バリスタの役目だと思っています。
ジャパン バリスタ チャンピオンシップ2大会連続優勝、ワールドバリスタ チャンピオンシップでも 上位入賞経験を持つ鈴木樹さん。
―つまり、素材が一番大切だということですか?
鈴木 そうです。だから丸山珈琲では『ダイレクトトレード』にこだわるんです。誰が作った、どんなコーヒーなのか。直接、産地に出向き、生産者と話をして良い豆を安定的に作ってもらう。上質な豆に対してはプレミアを支払う。それによって、どんどん美味しいコーヒー豆が生産できるようになります。
オーナーの丸山健太郎氏自ら生産地に赴き、現地で直接買い付けを行っている。
―それでは、いわゆる『美味しいコーヒー』とは、どんな味ですか?
鈴木 良く言われるのが、酸味や甘さのバランスが取れていて、後味がキレイなもの。雑味がなく、すっと口の中で消えていくようなイメージです。淹れ方は、コーヒーの持っている味わいをストレートに引き出せる金属のコーヒーフィルターの器具をお勧めしています。中でもフレンチプレスなら淹れ方が簡単なので、カフェと同じ味を自宅でも味わえます。
―そうはいっても、自宅で淹れるのは
難しいように 思えますが…。
鈴木 よく、そういう声は聞きます。でも、コーヒーって実はとてもシンプルなものです。だって材料は水とコーヒーだけですから。どれだけ厳選した豆を使っても、水が悪ければ台無しになってしまいます。本当に美味しいコーヒーを飲みたいのであれば、良質な豆とミネラルウォーター、この2つにはぜひ、こだわってほしいですね。つまり、この2つがそろえば、自宅でも美味しいコーヒーが淹れられるんですよ。
丸山珈琲/西麻布店
1991年に軽井沢で創業して以来、個性豊かな世界各地の高品質なコーヒー豆を独自のルートで直接買い付けている丸山珈琲。
素材そのものの持ち味を生かす、オリジナル技術によって焙煎された香り高いコーヒーは、通からも高く評価されている。
●東京都港区西麻布3-13-3
☎03-6804-5040 ○7時〜21時(年中無休)
http://www.maruyamacoffee.com/